マラソンを岩手からゆっくり伝えるブログ

マラソンに関するブログです

全国都道府県男子駅伝でのことをいわてから思う

昨日開催された全国都道府県男子駅伝を観て思ったことを記載する。


①ヴェイパーフライ旋風

中学生も当たり前のように着用していた。恩恵が、前作「4%」以上の「NEXT%」分受けられているのだと区間新記録、もうしばらく更新されないであろう区間でも出たことをみると、そう思う。


ただ、やはり全てはその選手の日頃の鍛練、そしてシューズを自分のモノにしたが故に記録されるタイムである事は、昔も今も、そしてこれからも変わりない。


②県勢のこと。

3区に、今春から青山学院大学に入学する佐々木選手が走り、区間15位だったこと。

駒沢大学の怪物1年生、田沢くんとほぼ同じスタートで、並んだ時に田沢くんに負けないくらいの背格好だったこと。

その田沢選手の他、山本修二選手、國學院の浦野選手、青学吉田圭太選手、岸本選手などなど挙げればキリがないくらいのエース級が走った3区を走ったあたり、これからも期待せざるを得ない。


7区に、今年の箱根駅伝拓殖大学6区を走った玉澤選手が走ったこと。

箱根の疲労からか、思うように成績は奮わなかったけど、県勢では間違いなくトップレベルの選手。走ってくれた事がありがたく思う。箱根駅伝では5区、6区の疲労度は他区よりも相当だという。実際、ダイジェスト等でベローンと足裏の皮が大きくめくれている場面をよく拝見した。


もしかしたらそんな状態だったのかもしれないし、疲労が抜けず走れる状態でなかったのかもしれない。


怪我に気をつけてこれからも競技を続けて頂きたい。


東北のくくりで言えば、福島が昨年、東北で初めて優勝した。また、宮城県は、高校の強豪校、仙台育英がある。昨年高校駅伝で優勝もし、アンカーに10kmの日本人記録保持者の村山紘太選手がいた。


山形県もNDソフトがある県で、去年仙台国際ハーフマラソンで優勝したムティソ選手、そして日本人4位に入った照井選手という強者の県。その照井選手は山形県でアンカーを走っていた。


岩手も、いわて盛岡シティマラソンを機に、どんどん良いマラソン選手が輩出されればと思う。


③設楽悠太選手

埼玉のアンカーで走った設楽くん。

元旦のニューイヤー駅伝で、前にいたヤクルトの高久選手に追い付いた際に、「頑張れ、ついてきて」と言わんばかりに指差しして想いを伝えていた。


都道府県駅伝では、前を行く京都の一色恭志選手に追い付くと、背中をポンと叩いて励ましていた。


なんと器量の大きいことか。

東洋大学の後輩だから高久選手を励ましたのかと思ったが、青山学院大学出身の一色選手にも励ましていた。


今年の東京マラソンに参加表明した時も、1億円を狙う。オリンピックで勝てるのは大迫選手だから、オリンピックは考えてない、というニュアンスの話をした。


この世代でマラソン界を盛り上げて世界と闘っていく気持ちが溢れている。


マラソンを始めた時期に、このような選手を現役で観られることは本当に幸せだ。


④相沢晃選手の快走。

福島のアンカーとして、区間新に1秒差まで迫る快走。


今年の東京マラソンにエントリーしたが、昨日回避したとのこと。


個人的にはそれでいいと思った。今から仮に、その東京マラソンで2時間5分49秒以上を出してオリンピック代表になることよりも、1万メートルでオリンピック代表になること。※調べたらMGCシリーズを走っていない選手が日本記録を出したとしてもマラソン代表にはならないそうです。←という条件も不確かな情報です。申し訳ないです。


まずは1万メートルで代表選手になり、それを経てマラソンの代表選手になることが個人的に善いと思った。


⑤中谷雄飛選手。

優勝した長野県のアンカー。早稲田大学に鳴り物入りで一昨年入学したスーパールーキー。


1年時の箱根駅伝1区は区間4位と決して悪くない成績だが、逆に「スーパールーキー」にふさわしい強烈なインパクトは僕は味わえなかった。


今年の箱根駅伝は同じく1区を走り、全体のレースメイクをしていた印象を受けた。これで勝ち切る力がつけば凄いなーと素人として心に残った。


そんななか、昨日アンカーで最初にゴールテープを切った。後ろには覚醒してきた延藤選手、そして設楽選手。一時は詰められた差も、終わってみればウイニングランをするほどの差があった。

そして、ゴールテープを切る時のポーズがとても印象的だった。


昨日の彼に泥臭さを感じた。粘る走りを感じた。


大学生としては初の栄光だと思う。

この走りを機に、となりそうな予感がする。

大きく羽ばたいてほしい選手の一人である。



以上を思った。

自分に合ったシューズ選びをしていわて盛岡シティマラソン2020へ挑む

2017年田沢湖マラソン。

初めてフルマラソンに挑み、3時間58分59秒で完走した。


前エントリーでも記述したが、ハーフ過ぎた辺りからパッタリ足は止まり、後半の大半を「歩き」で進めた。


今までの自分なりの分析では、走り込み不足や、発汗で電解質不足、等を思ってきた。


それも一理である。


でも、「シューズ選定の間違い」という理由もあったと最近思い始めている。


この、初フルマラソンで使用したシューズは、アシックス、「ターサージール5」。


2017年5月の奥州きらめきマラソンで10kmを走り終えてから、4ヶ月間練習で使用してきたシューズだった。


軽くて走りやすく、田沢湖のラストの坂を想定した自分なりの「山コース」でも十分走れる。


考えてみれば当時は、シューズの「履き分け」をする考えがなく、シューズは1足で「足に馴染ませる」事が良いと思っていた。


だから、レースに向けてシューズを選定する、という概念もなかった。


挑んだ初フルマラソン。


前半は快調。向かい風の中もどこ吹く風。

初フルマラソンにしてサブ3.5を狙っていたため、とにかく「1キロ4分58秒」だけ頭に入れて走り続けた。


今回は、シューズの事にだけスポットを当てると。


23キロ付近。

足が売り切れていた。今思えば予兆はその前からあったはずだが、気づかなかったかもしれないし、気づいていたかもしれないけど、行けるところまでと既に思っていたかもしれない。


いずれにせよ、足は止まった。


指で地面を噛む動作が、当時の僕には23キロ付近までしか出来なかった。


スタートから地面を必要以上に噛んで走っていたんだ。


練習で30キロ走を1度はしていたが、レースペースよりも当然遅いし、ただただ30キロを走った、という充実感に満たされ、30キロという距離にだけ着目して、脚の疲労度がどのくらいか、どの部分が特に疲労しているか、自分の身体に目を向けていなかった。


今の自分に合ったシューズでレースに挑むということが大事であるか、今なら以前よりは少しは理解しているつもりである。


いわて盛岡シティマラソン2019ではズームフライフライニットで挑んで自己ベストを出すことが出来た。


それがベスト以上のベストだったのか、ベスト以下のベストだったのか、見極められる眼も鍛えていきたい。


悲しいけど、履き潰したから現在ターサージール5は手元から離れてしまったが、今でもターサージール5は大好きだし、良い思い出ばかり沢山詰まっている。


僕の拠り所のシューズの1足だ。

ナイキのヴェイパーフライ問題をいわてから考える

トップランナーのヴェイパーフライ使用禁止の可能性が出てきた。


イギリス紙「テレグラフ」、「タイムズ」、「デイリーメール」などのイギリス各紙は15日、男女のマラソン世界記録を誕生させるなど陸上長距離界を席巻しているナイキ社の厚底シューズ「ヴェイパーフライ」について、国際陸連によって禁止となる可能性が高いと一斉に報じた。国際陸連は昨秋から調査チームを立ち上げている。


一昨年から噂には聴いていたが、遂に公になったかーという印象をまず受けた。

このタイミングで公にした引き金って何だったろうと思う。


内容を観ると、ナイキ「ヴェイパーフライ」の問題部位は、ナイキズームXと、カーボンプレートのようだ。


①ズームX部位、「厚底」という定義が曖昧である。禁止とされた場合、具体的に何センチと記載されるのだろうか?もしも「薄底」で新記録続出なら「何センチ以上を必要とする……」となるのだろうか。単に「厚底」ということであれば、同社のズームフライだって厚底だと思うし、他社ならホカオネオネクリフトンやリンコンだって、アシックスのグライドライドだって厚底だと個人的には思うし、厚底に見える。


この「厚底」という定義が曖昧なのが個人的に国際陸連に腹立たしさを覚える。

1分、1秒速くと選手は記録の数字にこだわっているのに、なんと扱いが雑なこと。


②カーボンプレートは、既に短距離界は使用されているし、今のところ短距離界では問題にはなっていない。


③対象が「ヴェイパーフライ」だけであり、同社ズームX搭載の「ペガサスターボ2」、カーボンプレート搭載の「ズームフライ3(あるいはそのシリーズ)」は現時点では問題となっていない。


上記2種類のシューズが問題にはならず、ズームXとカーボンプレートを搭載したヴェイパーフライだけ問題になったのは、新記録を連発しているから禁止にする、という様に聴こえる。


つまりは、均衡を保て、と。


④現在の世界陸連の規定では、長距離用シューズのソールの厚さには規定がないが「全ての人にとって合理的に利用可能でなければならず、ランナーに不当な優位性を与えてはいけない」と定めている。


市民ランナーまで使用可能になっているし、販売も誰が使ってはいけないなどの縛りはしていない。不当な優位性を与えている状態とは言えない。


こんなニュースも。

陸上で昨年の世界選手権男子1万メートル3位となった20歳のロネックス・キプルト(ケニア)が12日、スペインのバレンシアで行われたロードレースの10キロで26分24秒の世界新記録を樹立した。(共同)


この時キプルト選手が履いていたシューズはアディダス匠戦。




技術者の技術革新は選手にとって不都合なのだろうか?


技術の進歩は、人間を幸福に導くと、オリンピックの後に行われるパラリンピックが体現しているではないか。




一社独占が許せないのだろうか。技術側でそのような規制をするならば、万が一、選手側の規制をしたらどう思うか。


ケニア選手が上位独占しているから人数制限設けます、と言えるだろうか。


もしも、空前絶後の新記録が出ると確信した選手が、手を抜いて世界記録よりも1秒だけ、5秒だけ速くなるように調整したら、それはスポーツマンシップなのだろうか?そして、そんな走りを人々は観たいだろうか。


かつて、スピード社のレーザーレーサーなる水着騒動があった際に、世界一位だった北島康介は「I AM THE SWIMMER(泳ぐのは僕だ)」というTシャツを着た。


I AM THE RUNNER。

走るのは僕だ。




未来の話し。

人の夢は終わらない。


レーザーレーサー禁止後も、結局のところ世界記録は塗り替えられている。

マラソンだって、公式に2時間を切るタイムが出る時代が来るんだ。


だからと言って、履き慣らして自分のものにしようとする選手の努力の結晶、技術者の技術の結晶を、今のベストを踏みにじる事は、僕は納得がいかない。



未来の話し。

こうなる事は分かっていたナイキが、更に戦略な一手を出してくる事を、僕は期待している。


今回の件に、僕は大きな疑問がある。